イタリア料理の「ポルペッティ」
- SFW
- 2020年3月2日
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イタリア料理において、ひき肉をベースに調味してからミートボール状にしたものを『ポルペッティ』と言います。
イタリア料理ではよくあることですが、今回ご紹介するミートボールも、地域や土地によって全く違ったレシピや特徴を持っています。
イタリアは内陸地や海岸沿いの土地、乾燥地帯や雨の多い場所など、土地によって環境や採れるものが大きく異なること、また1861年に1つの国として統一されるまで都市国家の隆盛時代が長く続いたこともあり、各地で独特の郷土料理が根付いてきたからです。
そのため、多くの人がイメージする『イタリア料理』というものであっても、意外と特定の地域だけで食べられているものである、ということもよくあるのです。
ここでは、この『ポルペッティ』の種類やつくり方の例、『ポルペッティ』を使ったレシピをいくつかご紹介します。
◆『ポルペッティ』とは
『ポルペッティ』は前でも述べた通り、イタリア料理における肉団子、ミートボールのことです。
『ポルペッティ』を基準にして、少し大きめのサイズのものを『ポルペッタ』、逆に小さめのサイズのものを『ポルペッティーニ』と呼びます。
しかし、直径何cmからが『ポルペッタ』、『ポルペッティーニ』となるのか、ということは明確に定められている訳ではなく、あくまで感覚的なものであったり、作った人や食べる人のネーミング次第で変わります。
基本的には、牛挽肉に卵やパセリ、オレガノなどのハーブ、チーズを加えて塩やコショウで調味したものがベースになります。
そのうえで、例えばナポリでは生ハムを刻んだものがたっぷり加えられたり、フィレンツェで伝統的に作られるものはパンの耳以外の柔らかい部分が加えられます。
また、肉自体も豚肉や鶏肉、仔牛肉やそれらの合挽肉、ガチョウの肉が使われたり、変わったものではイカをミンチ状にして使ったものもあるようです。
また、種を作った後の加熱の仕方にも様々な種類があります。
フライパンでソテーして、しっかり焼き色を付ける方法や、たっぷりのお湯に入れて、あまり色を付けずに余分な脂を落としつつ加熱する方法、また薄く小麦粉をはたいてから素揚げにする方法など、その後の料理の完成形にあった調理方法がとられます。

◆『ポルペッティ』を使った料理の例
先のなかで、『ミートボール自体』の中身や作り方にも様々な方法があることをご紹介しましたが、その作ったミートボールを使った料理も様々なものがあります。
その中で日本でも見ることが比較的多いのが『サルサ・ポモドーロ(トマトソース)』で煮込んだものです。
『ポルペッティ』自体に下味をしっかりつけてハーブやチーズで風味を足して香ばしく焼き上げたものを、トマトの水煮缶と玉ねぎ、塩とコショウだけで作ったシンプルなトマトソースで煮込んだものは、ナポリの家庭の味にもなっています。
またその他にもクリームソースで煮込んだものや、串焼きにしたもの、パスタの具材とする場合もあります。
このように『ポルペッティ』はミートボール全般を指すため、とても幅広い料理を示します。
イタリア料理店でこの『ポルペッティ』の名前を見かけたら、ミートボールを使ったパスタである可能性もあるし、煮込み料理、グラタンのようなオーブンでの料理の可能性もあります。
注文の際には、どのような料理なのか確認することが必要になりますが、一方でとても楽しみの広がる料理でもあります。
また家でも比較的簡単に作ることができ、ミートボールさえ作ってしまえばどのような料理にも変化させることができます。
夕食にハンバーグを作ろうと材料を集めた後でも、小さく丸めて加熱しソースと併せて『ポルペッティ』として食卓に出せば、いつもと少し変わった食事にすることができます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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