ホロホロ鳥はご存じですか!?
- SFW
- 2020年2月20日
- 読了時間: 3分

『ホロホロ鳥』という食材を食べられたことがあるでしょうか。
フランス料理やイタリア料理など西洋ではメジャーな食材であり、
高級食材としても扱われる一方で、一般家庭でも調理、供されることも多い食材です。
フランス語ではパンタード(pintade)というこの鳥は、もともと北アフリカ大陸、
ギニア地方(現在のアルジェリアやモロッコ)周辺を原産とするキジ科の野鳥で、
病気に強く薬などを使わなくても飼育が可能であることや、
古くから品種改良をされていないことから、
現在では生産量世界一のフランスや西インド諸島をはじめとした
世界中の様々な地域で家禽として育てられています。
一方で寒さには弱く、また神経質であるため細心の注意を払わなければ繁殖しない、
肉質が低下するということから、日本のように四季のある環境での飼育は難しいとされ、
実際日本では繁殖や飼育が限られており、飲食店として取り扱っているのも焼き鳥店などが
ほとんどであまり普及していないのが現状です。
この特徴的な和名の『ホロホロ鳥』とは、
江戸時代にオランダから持ち込まれた際にオランダ語の『ポルポラート』と
呼ばれていた言葉が訛ったことが由来とされる説や、
鳴き声が『ホロホロ』と聞こえることからきているという説があります。
『ホロホロ鳥』はキジ科の鳥であるため、風味や食感もキジ肉に似ていると言われます。
このキジ肉の特徴として、現在は養殖されたものも流通していますが
もともとは野鳥であったため、ジビエ特有の風味があります。
一方でこの『ホロホロ鳥』はキジ肉と比べてジビエ特有の臭いや
野性味が少ないためクセを感じにくいので食べやすく、
そのうえで『ホロホロ鳥』独自の個性のある風味を持っています。
また柔らかく弾力があり、脂肪分の少ないあっさりとした白身の肉質も、
この『ホロホロ鳥』の特徴の一つです。
その反面、鶏肉と比較すると深く豊かな味わいや柔らかい食感が優れているとされており、
『食鳥の女王』とも称されます。
フランスをはじめとして西洋では一般家庭としても
高級食材としてもメジャーな食材ですが、大きく育てた『ホロホロ鳥』は大味になるため、
その場合は長時間煮込む料理に用いられることが増えます。
その一方で若鶏の肉はパンタドー(pintadeau)と呼ばれ、
特に肉質が柔らかいため、
フランスの高級レストランではこの若鶏だけが使用されています。
以下では、この『ホロホロ鳥』の実際の料理をご紹介します。

◆『ホロホロ鳥』を使った料理~ホロホロ鳥のロースト~
『ホロホロ鳥』のもつ豊かな旨味を味わうには、シンプルなローストでその風味をストレートに味わうことがおススメです。
『ホロホロ鳥』の丸鳥をよく水洗いしたうえで水気をふき取り、塩とコショウで下味をつけます。
玉ねぎ、にんじん、セロリなどの香味野菜を少し粗めのみじん切りにし、にんにくと合わせたものに塩とコショウをし、『ホロホロ鳥』の内部にすべて詰め込んで、入り口をつまようじで塞ぎます。
表面全体にオリーブオイルをまんべんなく塗り、さらに強めに塩とコショウを振ります。
アルミホイルで覆い、200℃に予熱したオーブンで1時間程度ローストします。
アルミホイルを外し、220℃に温度を上げたオーブンでさらに30分程度ローストして
表面に焼き目を付けます。
1度目のローストでじっくり火を入れることによって中はジューシーに、2度目のローストで表面に焼き色をつけることで香ばしく仕上げます。
また味付けは塩とコショウ、香味野菜のみでシンプルにすることで、『ホロホロ鳥』のほのかに香るジビエ本来の野性味をマイルドにしつつも、しっかりと味わうことができます。
日本ではまだまだマイナーな食材である『ホロホロ鳥』ですが、
焼き鳥屋さんやお鍋の店、イタリアンやフレンチで見かけることがあります。
メニューで目にした際にはぜひ、この独特の風味を持つ鳥肉をご賞味ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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