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リ・ド・ヴォ(ris de veau)という食材をご存じでしょうか??

  • 執筆者の写真: SFW
    SFW
  • 2020年2月13日
  • 読了時間: 3分

更新日:2020年3月5日


鶏

●フランス語で『仔牛の胸腺』という意味


英語では『スウィート・ブレッド(sweet bread)』、


日本では別名『ノドシビレ』とも言われています。


この『シビレ』は、英語の『スウィート・ブレッド』が訛ったものとされています。


『胸腺』とはあごの下にある、


生後1年以内の仔牛のときにだけある乳を消化する酵素の出る内蔵のこと。


成長とともに衰退し脂肪に変わるため、


仔牛のときにしか採取できない部位でありますが、


健康状態などによってはついていない牛もいるため、特に希少とされています。


ミルキーで白子のような、まったりする味わいが特徴的であり、


特にフレンチではソテーや煮込み料理の定番の食材として、


日本では焼肉などでよく目にすることがあります。


またこれに似た食材としてリ・ダ・ニョ(ris d'agneau)があり、


これは『仔羊の胸腺』という意味です。こちらも希少な部位で、


フランス料理ではメジャーである一方非常に重宝される食材です。


内臓の1つであり丁寧な処理が必要になる食材ですが、


その下処理の方法や、実際の料理の例をご紹介します。

















◆リ・ド・ヴォの下処理の方法


①リ・ド・ヴォを水につけ、冷蔵庫に一晩入れて白色~薄いピンク色を目安にしっかり血抜きをします。


②鍋にたっぷりの水とリ・ド・ヴォを入れて火にかけ、沸騰したら水の表面が静かに揺れるくらいの火加減で2~3分くらい茹でます。


③余熱でそれ以上火が入らないよう、お湯からあげたらすぐに氷水で冷やします。


④十分に熱が取れたら、表面の脂や筋、薄膜を取り除きます。しっかり掃除をしないと食感が損なわれたり雑味が混じる一方、薄膜は除きすぎるとバラバラになるので注意してください。


⑤ある程度水気を切ってからペーパータオルでくるみ、重石を乗せて冷蔵庫に一晩おいて、十分に水分を除きます。


以上のようにリ・ド・ヴォの下処理には多くの手間や時間がかかります。


しかしこの工程を経ることで生臭さや雑味を取り除き、トロっとした濃厚な味わいを活かす調理ができるのです。



◆リ・ド・ヴォの調理例① ~リ・ド・ヴォの軽いブレゼ~


ブレゼ(braiser)とは、表面を焼いた食材を鍋に入れて、


半分程度が浸かるくらいの液体を注ぎ蓋をして、蒸し焼きにする調理法のことです。


液体に浸かっている部分はもちろんですが、そうでない部分も蒸気でじっくり加熱され、


全体的にしっとりした仕上がりになります。


素材によってブレゼする時間は異なりますが、


リ・ド・ヴォは肉質が柔らかく短時間で火が通るため、軽くブレゼします。


これによりリ・ド・ヴォのトロっとした食感を活かした蒸し焼きになります。


また、煮汁にはリ・ド・ヴォの旨味が溶け出ているので、


それをさらに煮詰めて凝縮させ、生クリームで仕上げてソースとするものが


フランス料理ではメジャーな一品となっています。



◆リ・ド・ヴォの調理例② ~リ・ド・ヴォのソテ~


ソテ(sauter)は、フライパンなどに油脂を熱して食材を入れて表面をこんがりと焼き、


短時間で火を通す調理法のこと。


表面にはしっかり焼き色を付けて焼き固め、


中に肉汁をとどめつつジューシーに仕上げることで、


リ・ド・ヴォのフワッとした柔らかく繊細な味わいが楽しめます。


また厳密には異なりますが、焼肉で『ノドシビレ』を食べる場合も、


短時間の加熱で表面に香ばしさを付けつつジューシーな味わいを


楽しむことのできる類似した調理方法と言えます。



リ・ド・ヴォは普段の生活の中でなじみのある食材ではありませんが、


だからこそ取り扱っているフレンチのお店などで口にしたときには


非日常を感じることができます。


ぜひ機会があれば、この独特の食感をもつリ・ド・ヴォを食べてみてください。


最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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